「〜により」と「〜による」の違いとは?|意味と使い分けをやさしく整理
文章を書いていると、「〜により」と「〜による」のどちらを使えばいいのか迷うことがあります。
どちらもよく似ている言葉なので、「同じ意味なのでは?」と思う方も多いかもしれません。
実際、この2つは意味が大きく違うわけではありません。ただし、文章の中での役割が少し違うため、使う位置によって自然さが変わります。
たとえば、原因を説明するときや、ある出来事の理由を伝えるときによく使われますが、「文章を終える形なのか」「名詞を説明する形なのか」で使い分けると分かりやすくなります。
この記事では、「〜により」と「〜による」の違いを、日常の例を交えながらやさしく整理していきます。読み終えるころには、「こう考えればいいのか」とすっきり理解できるはずです。
「〜により」は理由や原因を説明するときの言葉
「〜により」は、ある出来事の理由や原因を説明するときに使われる表現です。
文章の中で「なぜそうなったのか」を説明する役割があり、比較的あらたまった文章でよく使われます。
たとえば、ニュースや学校のお知らせ、仕事の連絡などでよく見かける表現です。
・大雨により、運動会は延期になりました
・体調不良により、本日は欠席します
・システムトラブルにより、サービスが停止しています
どれも、「その結果になった理由」を説明しています。
ここでのポイントは、文章の中で原因や理由を説明する形になっていることです。
「〜により」のあとには、出来事や結果が続くことが多く、文章の流れの中で自然につながります。
つまり、「〜により」は「理由を説明する接続の役割」を持つ言葉と考えると分かりやすくなります。
具体例
日常生活の中でも、この表現は意外とよく使われています。
・子どもの体調不良により、今日は学校を休ませました
・交通渋滞により、到着が少し遅れます
・強風により、電車の運行が乱れています
・機材トラブルにより、イベントの開始が遅れました
これらはすべて、「何が原因でその結果になったのか」を説明しています。
たとえば学校への連絡帳に
「子どもの発熱により、本日はお休みします」
と書けば、理由が簡潔に伝わります。
このように、説明文や報告文の中で使われることが多い表現です。
使われる場面
「〜により」は次のような場面でよく使われます。
・学校や職場への連絡
・お知らせや案内文
・ニュース記事
・トラブルや出来事の報告
日常会話でも使えますが、どちらかというと文章向きの言葉です。
会話では「〜で」「〜のため」などの言い方に置き換えられることもあります。
間違いやすいポイント
「〜により」は便利な表現ですが、名詞を説明する形では使いにくいことがあります。
たとえば次のような形です。
大雨により影響
この言い方は、少し不自然に感じる人も多いでしょう。
なぜなら、「〜により」は本来、文章の流れの中で理由を説明する言葉だからです。
このように後ろに名詞が続く場合は「〜による」の方が自然になります。
「〜による」は名詞を説明するときの言葉
「〜による」は、ある原因や方法によって起きた出来事を説明するときに使われます。
特徴は、「〜による〇〇」という形で、後ろにくる名詞を説明することです。
たとえば次のような表現があります。
・大雨による被害
・台風による停電
・ストレスによる体調不良
・交通事故による渋滞
これらはすべて、「何が原因で起きたものなのか」を名詞にくっつけて説明しています。
つまり、「〜による」は、名詞を説明するための言葉です。
文章の中では、原因と結果をセットにして示す役割を持っています。
具体例
家庭や生活の場面でも、この形はよく使われています。
・寝不足による集中力の低下
・子どもの成長による生活の変化
・寒暖差による体調不良
・長時間のスマホ使用による目の疲れ
こうした表現は、ニュース記事や説明文でもよく見かけます。
たとえばニュースでは
「大雨による被害状況」
のような見出しがよく使われます。
この場合、「被害」を説明しているのが「大雨による」という部分です。
使われる場面
「〜による」は次のような場面で使われます。
・ニュース記事
・レポートや説明文
・調査結果の説明
・見出しやタイトル
特に「原因+結果」を短くまとめるときに便利な表現です。
たとえば文章の中でも
「ストレスによる体調不良が増えている」
のように、原因と結果をコンパクトに表せます。
間違いやすいポイント
「〜による」は名詞を説明する形なので、文章の途中で区切ると不自然になることがあります。
たとえば
大雨による、運動会は延期
この形は、少し違和感があります。
なぜなら、「〜による」は後ろの名詞とセットで意味を作る言葉だからです。
この場合は
大雨により、運動会は延期
と書くと自然になります。
違いは「文を終えるか」「名詞を説明するか」
ここまでの内容を整理すると、「〜により」と「〜による」の違いはとてもシンプルです。
・〜により → 理由を説明して文章が続く
・〜による → 後ろの名詞を説明する
つまり、文章の形によって使い分ける言葉です。
同じ内容でも、文章の作り方によって表現が変わります。
例を見てみましょう。
大雨により、運動会は延期になりました
大雨による運動会の延期が決まりました
意味としてはほとんど同じですが、文章の組み立て方が違います。
前者は「理由を説明する文章」で、
後者は「名詞を説明する文章」です。
このように、文の形に合わせて選ぶと自然になります。
日常ではそこまで厳密に考えなくても大丈夫
ここまで読むと、「正しく使い分けないといけない」と感じるかもしれません。
ですが、日常の会話やブログではそこまで厳密に考える必要はありません。
実際には、意味の違いが大きいわけではないからです。
たとえば次の2つの文章です。
・子どもの成長により生活が変わった
・子どもの成長による生活の変化
どちらも自然に意味が伝わります。
違いが出ているのは、意味ではなく文章の形です。
そのため、
・文として説明するなら「〜により」
・名詞を説明するなら「〜による」
という感覚で考えると、迷うことが少なくなります。
文章を書くときは、
「このあとに名詞が続くかな?」
「それとも文章が続くかな?」
と少し意識するだけで、自然に選べるようになります。
まとめ|「〜により」と「〜による」の使い分けはこう考える
「〜により」と「〜による」は、とてもよく似た言葉です。
意味の違いというより、文章の形の違いと考えると理解しやすくなります。
整理すると、次のようになります。
・〜により → 原因や理由を説明して文が続く
・〜による → 後ろの名詞を説明する
たとえば、
大雨により、イベントが中止になりました
大雨によるイベント中止が発表されました
このように、文章の形によって自然な方を選ぶだけです。
日常の文章では、厳密に考えすぎる必要はありません。
「文として説明するか」「名詞を説明するか」を意識するだけで、迷うことはぐっと減るはずです。
次に文章を書くときは、
「このあとに名詞が来るかな?」
「それとも文として続くかな?」
と少しだけ意識してみてください。
きっと自然に使い分けられるようになります。